国木田独歩館
寿司屋を出て、電車に乗る時間まで1時間くらいあるので、国木田独歩記念館に行くことにした。白壁の続く武家屋敷通りにある。
国木田独歩が、明治26年から27年にかけて鶴谷学館の教師をしていたときに下宿した坂本邸を改造し、平成15年4月にオープンした資料館だ。来るのは4度目だ。
独歩が生活していたという二階は天井が低く窮屈な感じだが、窓の張り出しに座ると趣のある庭が見えて気持がいい。
梯子のような小さい階段を降りると、とたんに、「ああ、涼しい」とおもわず声が出るくらい涼しい風が吹きぬける。ふすまを開け放した部屋はどこも風が吹きぬけて、風の通り道を計算して作られている昔の日本家屋の工夫が感じられる。
部屋を閉め切ってクーラーをガンガンかけて、結局は地球温暖化を招いている現在の文明のおろかさを考えずにはおられない。
北側の部屋に沿って廊下があり、そこから井戸や小さな池が見える。これも涼しさを誘う。小さな池には蓮が植えられ、今朝開いたのかなというくらいの花が咲いて風情がある。トンボや虫が時折飛んできて、水面をつつく。池のそこには2・3匹のかえるが沈んでいて、時々浮かんできてはまたすぐ沈む。池の底のほうが涼しいのだろう。そんな様子を見ながら廊下に座っていると、街中の34度くらいある猛暑も忘れてしまう。
その廊下からちいさな渡り廊下をつけて白壁の土蔵に行けるようになっている。
土蔵は資料館になっていて、二階に行くと、小さな図書のコーナーと、電子ブックが見れるコーナーがある。
ここはしっかりクーラーが利いていて、涼しい中でゆっくりと本が読める。入試勉強で国木田独歩の作品名だけは覚えたが、実際には読んだことのない、佐伯を舞台にした「春の鳥」「源おぢ」「鹿狩」などを電子ブックで読んだ。
小さな資料館だが、1日ゆっくり過ごしてみたいいい資料館だ。